メガ実数での無限大記号(∞)の扱い

∞は無限大を表す記号として数学でもよく使われますが、使われる場所によって微妙に意味が異なっています。

まず、\(\displaystyle \sum_{i=1}^{∞}a_i\)で使わわれる∞と、\(\displaystyle \lim_{x→∞}s_n\)の∞は使われ方が違います。

∞記号の意味

∞の記号は一般的には大きな数としてとらえられますが、数学では使う場所によって使い分けされます。

まず、∞は数ではありません。それは四則演算ができないから明らかです。ですが、実数と大きさの比較ができるという意味では数のようなふるまいをします。

\(\displaystyle \sum_{i=1}^{∞}a_i\)で使われる∞

\(\displaystyle \sum_{i=1}^{∞}a_i\)は、ある数列\(\{a_i\}\)を足していった極限を表しています。

\(\displaystyle \sum_{i=1}^{∞}a_i=\lim_{n→∞} \sum_{i=1}^{n}a_i\)

です。

すなわち、\(s_1=a_1\)、\(s_2=a_1+a_2\)、\(s_3=a_1+a_2+a_3\)、…\(s_n=a_1+a_2+\cdots+a_n\)という数列\(\{s_n\}\)の極限(収束しない場合もある)を表します。

\(\lim\)の記号で書くと、\(\displaystyle \lim_{n→∞} s_n\)と同じです。

\[\displaystyle \sum_{i=1}^{∞}a_i=\lim_{n→∞} s_n \]

ここで、話を簡単にするため、上記の数列\(s_n\)はある実数\(s\)に収束するものとします。

この時、普通の人は数列\(a_i\)は無限に足していくとsに”なる”と考えます。

これは数学では間違いです。もちろん、sになる場合の数列もありますが、一般的にはsになりません。

ですから、よくある言い回しでは、sに「限りなく近づく」と言います。

話がややこしくなるかもしれませんが、実数では限りなく近づく数同士は同じとみなされます。

どうでもいい事のように思われるかもしれませんが、\(\displaystyle \lim_{n→∞} s_n\)は限りなくsに近づく数を表しており、sと(一般的には)違うということにまず注意します。

限りなくある数に近づく数の表現方法として、無限小数があります。

無限小数を使って上記の事を改めて言い直すと、

  • 0.333…は限りなく1/3に近づく数を表している。
  • 0.999…は限りなく1に近づく数を表している。
  • 1.4142…は限りなく\(sqrt{2}\)に近づく数を表している。
  • 3.1415926…は限りなく円周率に近づく数を表している。

となります。

無限小数表記は、「…」の部分があいまいですが、直感的に訴える表記として優れています。

かなり脱線してしまいましたが、ここでの∞は限りなく近づく数列を表現するために使われているということです。

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