メガ実数は、標準部分、無限小部分、無限大部分に分割されます。
定義
aをメガ実数とします。
aの指数0の係数をaの標準部分(Standard part)と言います。
aの中で、指数が正のメガ単子全体の結合をaの無限小部分(Infinitesimal part)といいます。
aの中で、指数が負のメガ単子全体の結合をaの無限大部分(Infinity part)と言います。
aの標準部分をst(a)で表します。
aの無限小部分をpl(a)で表します。
aの無限大部分をmi(a)で表します。
\(a=mi(a)+st(a)+pl(a)\)となります。
例1
\(a=(1\#-2)+(2\#-1)+3+4\#1+5\#2\)とすると、
\(pl(a)=4\#1+5\#2\)
\(st(a)=3\)
\(mi(a)=(1\#-2)+(2\#-1)\)
となります。
例2
aが該当指数のメガ単子を持たない場合は、0のメガ単子を使います。
\(a=2\#1+3\#2\)とすると、
\(pl(a)=2\#1+3\#2\)
\(st(a)=0\)
\(mi(a)=0\)
となります。
標準部分、無限小部分、無限大部分の性質
標準部分、無限小部分、無限大部分に関する性質がすぐに示せます。
\(st(a+b)=st(a)+st(b)\)
特に、st(a)=st(b)ならst(a-b)=0=st(a)-st(b)が成立する。
\(pl(a+b)=pl(a)+pl(b)\)
特に、pl(a)=pl(b)ならpl(a-b)=0=pl(a)-pl(b)が成立する。
\(mi(a+b)=mi(a)+mi(b)\)
特に、mi(a)=mi(b)ならmi(a-b)=0=mi(a)-mi(b)が成立する。
\(st(st(a))=st(a),st(pl(a))=st(mi(a))=0\)
\(pl(pl(a))=pl(a),pl(mi(a))=pl(st(a))=0\)
\(mi(mi(a))=mi(a),mi(pl(a))=mi(st(a))=0\)
有限メガ実数
無限大部分が0のメガ実数を有限メガ実数といいます。
すなわち、\(a\)が有限メガ実数であるとは、
\(mi(a)=0\)であることと同値です。
a,bが有限メガ実数の場合
a,bをメガ実数体R#Rの有限メガ実数とする。
ab=st(a)st(b)+pl(a)pl(b)
st(ab)=st(a)st(b)
pl(ab)=pl(a)pl(b)
mi(ab)=0
特に、\(n\)が自然数,\(k\)が実数なら、
\(\mathrm{st}(ka^n)=k (\mathrm{st}(a))^n\)
a<bとすると、st(a)≦st(b)