集合論が難しい理由

集合論ってホント難しい!

そのい理由を探りました。

 

ここでいう集合論とは、公理的集合論といわれるヤツの事です。

なに言ってるのかサッパリわかりません。

まあ、存在するとかしないとか、

哲学の世界は、考えれば考えるほど疑問だらけで、

わからないもの。

数学の根底を揺さぶると言われている集合論ですが、

数学を学ぶと、いつかはこの壁に立ち向かう必要がでてきます。

 

でも、素朴集合論はめちゃくちゃわかりやすい!

しかし、素朴集合論は無限が取り扱えない。

いや、取り扱いが曖昧すぎて使えないと言ったところ。

 

「無限にあるから」の一言がどれだけのパラドックスを生み出しているのやら。

そうはいっても、私達は無限を普通に取り扱います。

無限がなければ議論しようがない微分積分学の成果は計り知れません。

無限には、まだ私達のしらない秘密が多く潜んでいます。

遠くから眺めるしかできない、「無限」その秘密にもっと迫っていきたい。

 

だれでもわかる最初の難問

数学が好きでなくても、義務教育を終了していれば、だれでもわかる無限の問題があります。

それは、

0.999…=1

という式です。

0.999…がどんな数なのか、何気なくわかっているようで、実はよくわかっていないといえます。

0.999…がどんな数なのか、いろんな説明があると思いますが、

ここでは、次のような数列を考えています。

a1=0.9

a2=0.99

a3=0.999

このように、小数点以下に9を並べてた数列{an}ができます。

いうまでもありませんが、この数列は無限に続きます。

最終項はありません。

しかし、この数列はある数に向かって近づいていきます。

そうです、この数列は、項が進めば進むほど1に近づきます。

\(\displaystyle \frac{1}{3}=0.333…\)

は容認してるのにもかかわらず、

\(\displaystyle 1=0.999…\)

に違和感を感じる人は意外に多いです。

実はこの違和感は非常に重要な感覚だと考えています。

実数とはいったいどんな数なんだろう。

 

無限にまつわる様々なパラドックス

さきほど、1=0.999…の例を書きましたが、これは序の口です。

無限の状態を考えるといろんな問題が生まれ、パラドックスを作ることができます。

  • ゼノンのアキレスと亀の話
  • 点が無限に集まると線ができる(線は点の集まりである)
  • 数直線の開区間(0,1)と閉区間[0,1]の長さ
  • 止まっている矢(瞬間とは?)
  • 客室が無限にある無限ホテル

いろいろな例がありますが、それぞれを深く考えることで、無限の不思議に触れることができます。

自分でも、応用していろんなパラドックスを考えることが無限を考える上で有効です。

究極は、バナッハ・タルスキーの定理(パラドックスとも呼ばれる)などがあります。

 

濃度の発見

無限集合を評価する指標として、濃度という考え方があります。

画期的でした。

数の秘密に迫りました。

今まで、「無限に存在する」とひとくくりで表現していたものを、ある程度区別することができたからです。

しかし、この考え方は新たな問題を引き起こしました。

濃度の概念で、ぼんやりとしか見えなかった無限が、ほんのすこしだけピントが合ったように思えたのですが、その細部は想像以上にぼんやりしていたのです。

実数からなる集合の濃度って?

わかったようでわからなくなりました。

 

不可思議な無限級数

\(\displaystyle 1=\frac{1}{2}+\frac{1}{2^2}+\frac{1}{2^3}+…\)

\(\displaystyle \frac{1}{3}=\frac{3}{10}+\frac{3}{10^2}+\frac{3}{10^3}+…\)

\(\displaystyle 1=\frac{9}{10}+\frac{9}{10^2}+\frac{9}{10^3}+…\)

は学校で習うので普通に受け入れられると思います。

\(\displaystyle e=1+\frac{1}{1!}+\frac{1}{2!}+\frac{1}{3!}+\cdots\)

これは、解析学を学ばないとわからないと思いますが、実際に右辺を計算していくと、

ネイピア数e = 2.71828 …に近づいていきます。

\(\displaystyle \frac{\pi^2}{6}=\frac{1}{1^2}+\frac{1}{2^2}+\frac{1}{3^2}+\cdots\)

まあ、有名な式です。

 

\(\displaystyle -\frac{1}{2}=1+1+1+1+\cdots\)

\(\displaystyle -\frac{1}{12}=1+2+3+4+\cdots\)

この級数は、やばいです。

ありえないでしょ。

どこでどう繋がっているのか、さっぱりわかりませんが、

どこかに、その秘密があるに違いないのです。

この級数は総和法という技法で正当化されますが、無限に大きくなる数も、めぐりめぐってある有限の地点に繋がっているのです。

神秘です!

無限を専門に取り扱う解析の中でも無限の足し算は不思議な振る舞いを行います。

 

実数でさえ無限が絡めばこんなに難しいわけですから、さらに抽象的な集合においては無限が想像することのできない世界を繰り広げるのです。

 

素朴集合論が解決しなければならない課題

wikipediaに、素朴集合論と公理的集合論について書かれています。

素朴集合論が解決しなければならないのは、ここに書かれているパラドックスの克服です。

公理的なアプローチは難しすぎです。

公理自体をよく定義できないからです。

一般的には自明と思われることでも、実はなんとなくしかわからない公理を出発点として、論理展開するので、穴が発見されると穴埋めしますが、その穴埋めがうまくいかないと、複雑難解な論理で正当化する方法が生み出されわかりにくくなって行きます。

 

参考資料

なんと、いろいろ調べていたら、私が書きたかった事をさらに詳しく、わかりやすくまとめてある資料を発見しました。

φ(..) 残しておきます。

代替集合論の調査(わかみず会用資料)@株式会社アイヴィス

わかみず会

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http://www.ivis.co.jp/text/20190619.pdf (資料への直リンク)

集合論@wikipedia

言わずと知れてる知的に満ちたサイト。信頼できる情報満載です。

集合論

素朴集合論と公理的集合論のわかりやすい説明あり。

集合論 - Wikipedia

公理的集合論

公理的集合論 - Wikipedia

 

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