メガ実数でできた数列の収束が通常の実数と違っている側面を示します。
1に収束しない二つのメガ実数列
メガ実数が収束するとは、全ての位の係数が収束することです。
二つのメガ実数列、\(α_n=1+n\#1\)と、\(β_n=1-n\#1\)を考えます。
(以後、メガ実数列の事を単に数列と略する場合があります)。
どちらの数列も1のメガ近傍に含まれるメガ実数からできています。
\(α_n\)は単調増加数列です。
ということは、\(α_n\)は、nが大きくなるにつれて、1から離れていく事を意味します。
対して、\(β_n\)は単調現象数列です。
これら二つの数列は収束するといえるでしょうか、収束しているとしたらどのような数に収束しているのでしょうか。
そこで、指数1の係数をみてみます。
数列\(α_n\)の指数1の係数は、\(n\)ですから、これは収束しません。
従って、数列\(α_n\)は収束しません(発散する数列です)。
同様に、\(β_n\)も収束しません。発散する数列です。
メガ実数列の場合は、下に有界、上に有界であっても、発散する事があります。
発散するメガ実数列
メガ実数は、無限大に相当する元を持っていますが、これは無限大に発散する数列が収束することを意味しているわけではありません。
例えば、単純な実数列\(a_n=n\)は、無限大に発散する数列ですが、これはメガ実数列とみても(無限大に)発散する数列と考えます。
このあたりは、超実数との違いが顕著に現れます。