ゼロで割ることを禁止している事の重要性

1÷0や、0÷0など、0で割った問題が話題になることがあります。

数学では0で割ることができないため、答えは「計算不能」だとか、「答えなし」、「定義なし」であって、特定の数にはなりません。

算数の世界のゼロ割はそう重要ではない

まれに、算数の問題で9÷0などといったゼロで割る問題が出題されることもあるそうですが、現実ではゼロで割る状況になることはまずありえないので、そこまでゼロ割を禁止することを強調しなくてもよいように思えます。

10個のリンゴを0人で分けるとか、20cmの長さの紐を0等分するとか、意味がわかりません。

こんな問題がでることはあり得ないでしょう。

計算する上でゼロで割る計算式があったとしても、その段階で計算の意味がないとして計算されないのが算数です。

ゼロ割禁止が重要視されるのは数学の世界

しかし、数学ではゼロで割ることが頻繁に出現します。

それは数学では、文字式(文字を含んだ数式)を使う事が多いからです。

例えば、変数\(a\)があったとすると、この\(a\)はいろいろな値をとることが許されます。

ゼロも例外ではありませんから、\(a=0\)である場合もあるのです。

ですから、もし\(a\)で割り算したい時には、\(a\)がゼロなのかそうでないのかを調べてからになります。

代数方程式の例

方程式\(ax^2+bx+c=0\)を解く場合、安易に両辺を\(a\)で割ることは許されないのです。

この方程式は、\(a=0\)の場合も含んでいるからです。

連立方程式の例

\(\displaystyle ax+by=1,cx+dy=2\)という\(x,y\)についての2元連立方程式を解く場合もそうです。

この問題を解くのは厄介です。

\(b≠0\)であれば、\(\displaystyle y=-\frac{a}{b}x-\frac{a}{b}\)として計算できますが、\(b=0\)の場合も別途考える必要があります。

ゼロかどうか場合分けするのは、変数だけではありません。文字式であっても割り算する場合には、それがゼロなのかそうでないのかを調べる必要があります。

ある式を\(ad-bc\)という式で割る場合、\(ad-bc\)がゼロなのかそうでないのか場合分けが必要なのです。

数学ではいろんな文字を使った式がたくさんでてきます。

それらの式計算するとき、もし割り算する必要がでてきたら、それがゼロなのかそうでないのか場合分けする必要があるので、「ゼロで割ることができない」事に注意することが重要なのです。

タイトルとURLをコピーしました