行列のIは単位行列を表す

行列の式でよく、\(I\)(大文字のアルファベットのアイ)がでてきますが、これは単位行列を表しています。

単位行列とは、対角成分が1でそれ以外の成分が0の正方行列の事です。

単位行列は、IやEの文字で表すことが多い

単位行列とは、対角成分が1でその他の成分が0の正方行列の事です。

例えば、

\(\begin{pmatrix}1 & 0 \\ 0 & 1\end{pmatrix}\)

は単位行列です。

一般形でかくと、

\(\displaystyle \begin{pmatrix}1 & 0 & \cdots & 0 \\0 & 1 & \cdots & 0 \\\vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\0 & 0 & \cdots & 1\end{pmatrix}\)

となります。

単位行列を表す記号としてよく使われるのは、\(I\)と\(E\)です。

単位行列は、数字の1に似た性質があるので、数字の1に形がにている\(I\)を使ったと考えられますが、逆に数字の1と間違う可能性が高いので、あえて\(E\)を使う場合もあります。

なお、行列は習慣的に大文字のアルファベットを使うことが多いので、小文字の\(i\)や\(e\)が単位行列として表記されることは通常ありません。

単位行列は正方行列でないといけない

正方行列でない行列は単位行列になりません。

\(\displaystyle \begin{pmatrix}1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0\end{pmatrix}\)は対角成分が1でその他の成分は0ですが、正方行列ではないため単位行列ではありません

添え字で次数を表す場合もある。

普通は、行列の次数は省略しても混乱はありませんが、何次の正方行列なのか添え字で明示する場合があります。

例えば、2次の単位行列は、\(I_2\)のように書きます。

\(\displaystyle I_2=\begin{pmatrix}1 & 0 \\ 0 & 1\end{pmatrix} \)です。

3次の単位行列

\(I_3\)は、

\(\displaystyle \begin{pmatrix}1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1\end{pmatrix} \)を表しています。

一般的に、

\(I_n\)で

\(\displaystyle \begin{pmatrix}1 & 0 & \cdots & 0 \\0 & 1 & \cdots & 0 \\\vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\0 & 0 & \cdots & 1\end{pmatrix}\)

のn次正方行列を表します。

ここで、\(n\)は自然数です。

1行1列の行列の単位行列

1行1列の単位行列\(I_1\)も考えられます。

\(I_1=(1)\)ですが、使われることはあまりありません。

この行列はスカラーと同一視されることもあります。

\(I_n\)の\(n\)が1の場合もありえるという事です。

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